プロジェクト概要
本プロジェクトは、宇宙時代の到来をにらんで⼟佐教授のアート作品「産声 by サウンドオブ⽣け花」を微 ⼩重⼒下で作成し、新しいアートの⽣成をめざすものです。その元となった「サウンドオブ⽣け花」は、鮮やか な⾊彩の絵の具などの粘性液体に⾳の振動を与えて、各種の⾊が融合しつつ⾶び上がる様を 2000 フレー ム/秒の⾼速度カメラで撮影したビデオアートです。「産声 by サウンドオブ⽣け花」は、⾚ちゃんの産声で「サ ウンドオブ⽣け花」を制作するものです。⽣命の誕⽣のエネルギーを表現した世界でひとつだけの産声の⽣け 花、世界でひとつだけのアートを⽣み出し、すでに京⼤オリジナルを中⼼として事業化を⾏なっています。
⼀⽅で最近、はやぶさ2による⼩惑星への着陸と岩⽯収集、NASA による⽕星への無⼈探査機の着 陸など宇宙に関する話題が多くなってきました。さらにスペース X は⺠間⼈を乗せた宇宙船を地球周回軌道 に送ったり⽉の周回旅⾏を⾏うことを計画しており、宇宙旅⾏が私たちに⾝近なものとなりつつあることを実 感させてくれます。アートは古い時代から⼈間の精神性と深く結びついており、宇宙時代にこれまでのアートと の付き合い⽅はどうなるのか、また宇宙時代に合致したアートが⽣まれるのかなどは重要なテーマです。
このような問題意識のもとで、アートイノベーション産学協同講座を運営している⼟佐教授と凸版印刷株 式会社は、宇宙時代の新しいアートの⽣成に向けて「産声 by サウンドオブ⽣け花」を微⼩重⼒下で作り出 す実験を実施します。⾶⾏機を放物線⾶⾏させる(パラボリックフライト)ことで、機内に無重⼒(無重 量・微⼩重⼒)状態を構築。「サウンドオブ⽣け花」の制作機材を機内に持ち込み、微⼩重⼒状態での 「産声 by サウンドオブ⽣け花」の制作を⾏い、⽣命の根源の象徴である産声が宇宙時代にどのような新し い造形を⽣み出すか実験を⾏います。
本プロジェクトは以下のような意義を持っています。
・微⼩重⼒下でアートがどのように変容するか、新しいアートが⽣まれるかなどの問題にチャレンジする
・コロナ禍で未来が不透明な状況で不安を抱える ⼈々に希望を与える
・新⽣児の両親などに宇宙時代にふさわしいプレゼントとなる
・アートの産業への利活⽤を⽬指し、微⼩重⼒下での流体の3次元形状抽出の可能性を探る